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『カラオケ行こ』ネタバレ感想‼「紅」に染まった友情物語はつまらない⁉キャスト/興行収入で評価する‼

8点作品

映画.comより引用

『カラオケ行こ』作品情報/予告/評価‼

合唱部の部長である中学生がヤクザに歌を教える羽目になるという奇妙な構図の中でそれぞれに見える成長にどう感じるか———そこがキーになる作品‼
本記事では、『カラオケ行こ』の作品情報や原作/ネタバレあり感想で作品を解説しています‼

『カラオケ行こ』
総合満足度4.0

映画.comより引用

ストーリー4.5
演出3.5
面白さ4.0
余韻4.0
リピート3.0 

ストーリー

中学校で合唱部の部長を務める岡聡実は、ある日突然、見知らぬヤクザの成田狂児からカラオケに誘われる。戸惑う聡実に、狂児は歌のレッスンをしてほしいと依頼。組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。狂児の勝負曲は、X JAPANの「紅」。嫌々ながらも歌唱指導を引き受ける羽目になった聡実は、カラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていくが……。

予告動画 クリックすると予告が閲覧できます↓

作品情報

『カラオケに行こ!』
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『カラオケ行こ
山下敦弘 監督代表作

✅リンダリンダリンダ(2005年)
✅天然コケコッコー(2007年)

キャスト/キャラクター紹介!

キャラクター 役名/キャスト/役柄

成田狂児(なりた きょうじ):綾野剛
四代目祭林組の若頭補佐。組長主催のカラオケ大会での罰ゲームを恐れており、どうしても歌がうまくなりたい。「紅」が十八番。

『日本で一番悪い奴ら』で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞。

岡聡実(おか さとみ):齋藤潤
森丘中学校の3年生、合唱部部長。中学校最後の合唱祭を前に、声変わりで高音を出せなくなっていることを悩む。

『からかい上手の高木さん』『正欲』などの出演‼

森本もも:芳根京子
岡聡実の所属する合唱部の副顧問。合唱に必要なのは「愛」だと語る。

『累かさね』『今日も嫌がらせ弁当』『散り椿』などに出演‼
組長:北村一輝
狂児が世話になっている四代目祭林組の組長。非常にカラオケ好きで絶対音感を持つ。組員によるカラオケ大会を行うが、最下位の組員に罰として珍妙な刺青を彫るクセがある。
『容疑者Xの献身』『テルマエロマエ』などで個性的なキャラを演じる‼
和田:後聖人(うしろ きよと)
合唱部の後輩で岡聡実と同じソプラノ担当。声が出にくくなっている岡部を見て手を抜いていると勘違いし苛立っている。
中川:八木美樹(やぎ みき)
合唱部の副部長。岡聡実が声変わりに悩んでいる事を知っており、和田との間に入り仲を取りもつ。

映画.comより引用

『カラオケ行こ!』の興行収入

2月18日まで(公開から38日間): 興行収入 5億7965万8310円を記録!

現在も一部劇場にて公開中。

『カラオケ行こ!』の主題歌

狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」で、Little Glee Monsterがカバーしている。

『カラオケ行こ』原作紹介‼

原作『カラオケに行こ!』の概要

●和山やまさんによる日本の人気漫画で、発行部数60万部を超える。

●2019年8月25日にオリジナル同人誌即売会「COMITIA129」で、本作の同人作品が頒布された。

●COMITIAでは即完売し、数回再販されたものの、本作は入手困難となり、話題作となった。

●2020年9月12日に、同人作品に加筆修正や描き下ろし新話を加えて、KADOKAWAより単行本化された。

●2020年11月には、本作の岡聡実を主人公とした続編『ファミレス行こ。』が『月刊コミックビーム』で連載開始された。

以下からは、ネタバレに触れるに感想になりますのでご注意下さい‼

『カラオケ行こ』ネタバレ考察

大まかなあらすじ

合唱部の部長である中学生が組織のカラオケ大会で負ける訳にはいかないヤクザに歌を教える事になるという奇妙な友情の中、それぞれはどう成長していったのか?

ずぶぬれに濡れたシャツから彫り物が透けて見えるヤクザの狂児が中学生の岡聡合唱実も出場する合唱コンクールが行われている開場前で立ち止まっているシーンから物語は始まる。

聡実の歌声に惹かれた狂児は、岡聡実に「カラオケ行こ」と声掛け、奇妙な関係が始まっていく。

なぜ、岡聡実はヤクザに付いていったのか?

「カラオケ行こ」の次のシーンはなんとカラオケの部屋の中。

いや、知らない人、ましてや、明らかにヤクザぽい人について行ったんかい…
僕なら絶対に逃げる。個室に入ってしまったらもう終わりだ…
カラオケの室内に入る前に何とかしないと…

それでも、岡聡実はカラオケまで付いてきた訳なんですが、いきなり強引な展開ではあるんですが、ここから岡聡実くんの肝の据わった性格が明らかになっていくんですよね!

カラオケ内で四代目祭林組の若頭補佐 成田狂児 と書かれた名刺をもらいヤクザが確定。
その後、なんでカラオケを教えて欲しい理由が明らかになる。

毎年、組長の誕生日に開かれるカラオケ大会で最下位になれば組長自らが彫り物を掘る。しかも、絵が致命的に下手で、技術も無いから死ぬほど痛い思いをする事に…
何としてもそれを回避したい狂児は、岡聡実に歌をとりあえず聞いてもらう。

選んだ曲は、X-JAPANの『紅』。
YOSHIKIが作曲/作詞した名曲であり、僕も名前がYOSHIKIなので一瞬、別の方に感情がふわっとしたのは置いておいて、正直音程はずれていないし、下手じゃないんかいって心で突っ込んでしまう。

しかし、全パートを裏声で歌う狂児の雰囲気と激しさを伴う『紅』との相性は最悪。
その歌声を聞いた岡聡実は、「裏声が気持ち悪い」と一喝。

やっぱり肝が据わっている。

はじめは乗り気でなかった岡聡実も真面目に取り組む狂児を見て、「カラオケを教えるくらいなら」と少し心を開いていく訳です。

その後に開かれたヤクザの同僚を誘ってのカラオケ教室でも、ヤクザ相手に「体力をつけて下さい」「ピッチ

が不安定です」「癖が強い」「声が汚い」「うるさい」「カス」とはじめはアドバイスをしていたのに、段々とただの悪口になっていく岡聡実。
ズバズバ物を言ってしまう肝の据わった岡聡実ですが、さすがにぶちギレられ、狂児に助けられるがヤクザに対する恐怖も芽生えてくるんですが…

いやいや、遅すぎだし、そもそもヤクザだからとかでは無く、初対面の大人に対してそこまで言うか?言えちゃうか?ってくらいに肝が据わっている中学生なんです。

世間知らずというか、岡聡実の中には「ヤクザ=怖い」が完成していないのか?
だから、知らないヤクザに付いていく事が出来たのか?

おそらく、葛藤はあったと思うんですよね。

この関係性が親にバレたらどう説明しようかなとか、友達にもこの関係を知られたくないし…

だったら何故、関係性を続ける事にしたのか?

それには、理由がありました。
岡聡実は、中学3年生で合唱部の部長。真面目に3年間合唱部を率いて来た訳なんですが、声変わりの時期でこれまで積み上げてきた崩れようとしていた訳なんです。

合唱部での練習にも身が入らず、声が変わってきて上手く声が出ない様子に手を抜いていると訴える後輩も出てくるし、子供から大人に変わっていく変化ってすごくデリケートで誰かが話を聞いてやる事が一番安心出来たりすると思うんですけど、岡聡実は、誰にもこの不安を打ち明けない。

次第に合唱部での練習より狂児とのカラオケを優先していく訳です。
逃げ場の無い状況から奇妙な友情関係が救い出してくれたかのように…
狂児の歌が上手くなるために次第になぜ「紅」にこだわるのか、狂児自体に興味が沸いていく岡聡実。

その過程で誰にも言わなかった声変わりの悩みを狂児だけには話するんです。
高い声を失うという思春期にとってキツイ出来事の中、新たに得た関係性によって岡聡実が成長した場面を見たようでした。

「もう、ソプラノが綺麗に出ない」と打ち明けた岡聡実に対して、狂児が良い事を言うんですよねー。

「ほんまアホやな。きれいなもんしかあかんかったらこの街ごと全滅や」

単純にソプラノが出なくなった岡聡実を励まそうとした言葉だったのかもしれないが、すごく広い意味にも聞こえて来て「正しい」から良い、「綺麗じゃないから」ダメみたいに全てを区切る事が全てでは無い。

この狂児がまさにそうなんですよ。

狂児はヤクザで世間的には、「綺麗じゃないもの」に該当すると思うんですが、そのレッテルが良くない。
もちろん、ヤクザを肯定する訳では無いけど、この狂児という男は、すごく大人な対応をしてくれるですよ、岡聡実に対して。

狂児の同僚を誘ったカラオケ教室の時も肝が据わった発言をした事でヤクザにキレられ恐怖を感じる岡聡実に対して「悪かったな、怖い思いをさせて、聡実くん、まだ、中学生やしな、ごめんな」と声を掛ける。

ちゃんと相手の気持ちに寄り添って発言できる大人なんですよね。
相手が大人でも言いたいことをはっきり言ってしまう岡聡実を叱るのではなく、カラオケを教えてくれている事に対するリスペクトを大事にしているし、相手が緊張しないように冗談も交えながら話してくれる。

ヤクザというレッテルだけで、人間性って判断してはいけないというくらいに人間味があって、岡聡実が惹かれていくのが分かる。

この奇妙な友情関係が成り立つ理由を見た瞬間でもありましたね!

ラスト展開に感動!

狂児との奇妙な友情関係により吹っ切れた岡聡実は、合唱部への参加を再開する。

岡聡実に「元気をあげる」と言われ学校に来た狂児は、学生同士の三角関係など思春期にはデリケートな事を冗談交じりにいじる。
それが、岡聡実を怒らせてしまい、「ヤクザのくだらんカラオケ大会と違ってこっちは真面目に3年間必死でやってきた」と怒鳴り、元気をあげると渡すはずだったお守りも投げつける始末。

本心ではないにしろ発言してしまった後ろめたさがある中、それでも狂児は謝ってくれる。
いやぁ、狂児良いなー。

ここで物語は急展開をみせる。

合唱コンクール同日、岡聡実は、組を破門になった男の逆恨みで車で突っ込まれ救急車で運ばれているだろう狂児の姿を目撃する。

コンクールの会場についたものの狂児が心配になり、会場を抜け出し、ヤクザのカラオケ会場へ向かう。
そこで、組長は、「狂児は地獄に行ってしまった」と発言。

狂児が死んでしまったのに予定通りカラオケ大会を開催している事、狂児の死を誰も気にしている様子も無い事に対して怒りが爆発する岡聡実は、「何やねん、お前ら。のんきに歌っている場合ちゃうやろ。所詮、ヤクザやな。誰が死のうがどうでもいいんや。狂児と一緒に地獄に落ちれ」と発言する。

組長には、「名前も何も言わんで入ってきてただで出ていくつもりか?狂児へのレクイエムだ、歌っていけ」と言われる。
ここで歌ったのが、「紅」でした。

狂児との日々を思い出しながら歌う岡聡実。声変わりのある喉では、高音域のある「紅」は無理がある。それでも熱唱する岡聡実に感情移入しまくりでした。

序盤から中盤までカラオケを題材にして笑いを誘っておきながら、いつの間にかこちらを感情移入させ、感動をもたらすストーリー構成がめちゃめちゃ良かったですね!

エンドクレジット後にもおまけ映像があってね、すごくほっこりした気分になれるし、観終わった後の余韻も最高でした。

はぁ、誰か一緒に「カラオケ行こ!」

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